「言葉で信じてもらえないなら…身体で理解させてやる」 旋律が魔法となる世界で、共鳴術士たちは音を通して呪文を紡ぐ。中でも、類まれな治癒力を持つミュレは「銀の聖女」として崇められていた。しかし、皇太子に呪術をかけたという濡れ衣を着せられ、彼女の人生は崩壊する。爵位を剥奪され、婚約者にも見放され、社会からも追放されたミュレは、絶望の淵に沈む。そんな時、彼女は狡猾な笑みと危険な雰囲気を漂わせる兵士、ナハトと出会う。彼なら、痛みを麻痺させるほど傷つけてくれるかもしれないと願い、一夜を共にするミュレだが、執拗なまでの愛情に突き動かされてしまう。孤独な聖女と風変わりな兵士、息苦しくも甘い愛に結ばれた、歪んだ物語がここに始まる。